63高地トレーニングにおける運動強度の指標-クロスカントリースキー競技選手を対象としたTrainingImpulseの基準値と実践場面への適用-北村辰夫・岩崎賢一・鈴木典・水落文夫伊藤英之・近藤克之・吉本俊明はじめに1960年代に第1期,1990年代に第2期の隆盛を迎えた高地トレーニングは現在,持久系競技スポーツ選手を対象としたトレーニングの一環として定着している
その方法は主にLivingHigh&TrainingHigh(LH&TH:高地滞在+高地トレーニング),LivingHigh&TrainingLow(LH&TL:高地滞在+低地トレーニング),LivingLow&TrainingHigh(LL&TH:低地滞在+高地トレーニング)に3分類され,各々の効果や問題点が指摘されている
こういった複数の方法が提唱される理由は高地トレーニング効果となる持久性機能の顕著な向上と,高山病に代表される低酸素暴露に伴うコンディションの低下が表裏を成すことによる
LH&TLはトレーニング標高を1,250m,または競技が開催される標高に設定することで,トレーニング量の減少や運動強度の低下を解消し,低地に近似したコンディションでトレーニングを実践する目的から構築された
これに対し,LL&THはスプリンターを対象とした高地トレーニングの一手段となっている
スプリンターは速筋線維が多い身体的特性上,LHでは高所脱水の影響が顕現する場合が多く,低酸素環境下におけるトレーニングの継続により,筋への負荷が軽減する
そのため,長期の高地滞在を避け,トレーニングのみ高地で行うLL&THの導入が試みられており,トリノオリンピック(2006年)におけるクロスカントリースキー女子チームスプリント競技の8位入賞2)は記憶に新しい
また,高地での競技会に向け,充分な高地トレーニング期間が確保できない場合等は高地ト