第15章「宇宙生物学」1
概要宇宙生物学とはどういう学問分野であろうか
「宇宙生物学」そのものは、生物学の一部として、宇宙における生物を扱う学問分野である
また、地球の生命体が宇宙に進出した際の課題を解決する分野としても研究が進められてきている
しかし、地球以外に生命体が発見されていないことや、生物学者の多くが地球の生命は奇跡の存在であるので他の天体に生命体がいるはずがないと考えることもあり、我が国では主流にはなっていなかった
一方、宇宙生物学以前に、生物がどのように地球上に発生したのかという基本問題もある
生命の起源を扱おうとすると、生物学のみならず、化学や地質学(地球物理学)との協力が必須である
また、天文学における太陽系外惑星の発見や太陽系天体探査機の登場と相まって、地球に限定せずに広く宇宙における生命体の起源や進化論ずる必要性も高まってきた
さらには、極限環境の生命(高温、高酸化度、高アルカリ度、地下、岩石、高層大気など)について考察し、生物の存在意義や普遍的な仕組を理解しなければならない
そのためには、地球外生命の探査も必要になるであろう
このように、宇宙生物学は文明や生命の未来などについても検討しようとする学際分野として、その概念が広がってきている
欧米では、宇宙生物学に相当する専門用語としてastrobiologyやexobiologyが用いられる場合が多い
両者とも概念としてはほぼ同じであるが、exobiology(圏外生物学)という言葉は1960年にレーダーバーグ(JoshuaLederberg)により提唱されていたのに対抗し、1997年に惑星NASAが提唱した単語がastrobiologyである
天文学の立場から宇宙の生命にアプローチする場合はbioastronomy(生物天文学)を用いることが多い
実際、国際天文学連合には生物天文学を扱う委員会も設置さ