【漢方用語集】漢方を学び始めて、まず突き当たるのが漢方薬の名前です。小柴胡湯をコシバコユとか四物湯をシブツユなどと読んでいました。読めるのはいいが、読めないものもあり慣れるのに数週間かかりました。慣れると今度は意外に簡単で、薬方の適応を覚えるのもそれほど時間はかかりません。全くの素人でも漢方薬を使えるようになるには数ヶ月くらいで可能ではないかと思っています。そして、そこからが困難を極めるところです。西洋医学の病名や症状の表記に慣れ又その言葉で通じる為、漢方用語については特に違和感がありました。巻末の索引で調べながら理解に努めましたが、誤まって記憶していたり、流派で意味が異なる場合も少なからずあります。これを踏まえた上で、自分の知識の整理を兼ねて日本の伝統漢方、中医などの用語集をもとにまとめています。【あ~お】/【か~こ】/【さ~そ】/【た~と】/【な~の】【は~ほ】/【ま~も】【や~よ】【ら~ろ】【わ】【あ~お】噫気(あいき)おくび、愛気ともいう。安神法(あんじんほう)驚悸、不眠、悪夢などの精神不安に対する治療法。胃(い)六腑のひとつで飲食物を受け入れ脾と協力して消化吸収を行う。胃火(いか)胃熱とも言い、美食が過ぎると胃が熱を帯び、胃痛、口内炎、歯痛などが起る。胃気(いき)水穀を受け入れ、消化して栄養を運ぶ機能。溢飲(いついん)水分があふれる。胃内停水(いないていすい)胃に滞った水分、その度合いによって生薬の配合が変わる。体を揺すれば、振水音が確認される。水毒ともいう。食物が滞ったものは食滞。飲(いん)水分代謝異常により体の一部分に停滞する希薄な水液。陰液(いんえき)人体を構成する津?液?精?血などの総称。咽乾(いんかん)咽喉粘膜の乾燥。咽喉不利(いんこうふり)咽の異物感や不快感。陰虚(いんきょ)体の構成成分の液体(血?体液など)が不足し、消耗、乾燥状態になる。陰虚火動(いんきょ日本漢方の用語で意味は陰虚内熱、陰虚陽亢などをいう。かどう)陰虚内熱(いんきょないねつ)血虚(貧血)の状態になると陰液が不足し、相対的に陽気が余り、熱が出るようになる。(虚熱)陰経(いんけい)体を巡る経絡のなかで五蔵に帰属する手足の太陰?少陰?厥陰の三経。陰証(いんしょう)八綱弁証で虚証?裏証?寒証の総称。日本漢方では寒証を指す。陰陽(いんよう)八綱(陰陽?虚実?表裏?寒熱)の大概念。陰:緩和、静止、内向、下降、寒冷、暗、女性/陽:激烈、運動、外向、上昇、温熱、明、男性咽中炙肉(いんちゅうしゃにく)のどに炙った肉片が張り付いて取れないような感じの違和感がある。類似証に梅核気というのがある。類語:咽中炙臠(いんちゅうしゃれん)鬱冒(うつぼう)意識朦朧瘟(うん)温疫(急性伝染病)。温病。運化(うんか)脾胃の機能で飲食物から栄養物質を生成するのが「化」で、栄養物質を全身に送るのが「運」。営気(えいき)血と共に脈中を流れる気。脾胃によって飲食物から産生。衛気(えき)脈外を流れる気。臓腑を温め、皮毛の開閉をし、皮膚を保護し、外邪の侵入を防ぐ。腎陽から産まれ、脾胃で補充され、肺で全身に送られる。益気法(えっきほう)気虚を補う補法のひとつ。嘔気(おうき)吐き気、実際吐くことは少ない。悪寒(おかん)体に不快な寒気を感じること。風とは関係なく起る。於血(おけつ)生理的機能を失ったり、滞った血。一般で言う血行障害のようなもの。類語:血於悪心(おしん)胸が苦しく、吐きたいような気持ち。悪熱(おねつ)不快な熱を感じること。悪風(おふう)風にあたると寒気を感じること。肌の陽気が低下している。往来寒熱(おうらいかんねつ)寒気と熱が交互におこることをいう。午前中は平熱で、午後から夕方にかけ微熱が出たりすることもある。温煦(おんく)体を温める。温経散寒法(おんけいさんかんほう)温?熱性の生薬を用いて体を温め、寒邪を除き関節痛や冷えを治療する方法。温中散寒法(おんちゅうさんかんほう)温?熱性の生薬を用いて脾胃を温め、腹痛や冷え下痢などを治療す...